【2014年8月6日】屠畜を学ぶ勉強会〜イスラーム文化と日本の文化の違いを学ぶ〜

南山のオリジナルブランド牛「京たんくろ和牛」(短角×黒毛の和牛間交雑牛)が「ハラール牛」認定を受けたことを機に、イスラーム文化についてさらに深く学ぶため勉強会として「と畜の文化を学ぶ勉強会」を開催。命ある尊い食としての牛肉の背景と文化を学ぶ会となりました。

まずは、映画「ある精肉店のはなし~日本の屠畜文化に学ぶ~」と題して、大阪府貝塚市で精肉店を営む北出新司さんによる講演からスタートしました。

「牛を苦しめないようこのハンマーで外さぬよう一撃でしとめます」

北出精肉店の北出さん。日本の屠畜は、命の現場でありながら、長く差別との戦いでもあったという話の中で、職人はいかに自分たちの仕事に誇りを持てるのか?命を捧げてくれる「牛」に対していかに苦痛を与えずに美味しいお肉にするのか?をご自身の体験を通してリアルに、かつ暖かくお話くださいました。

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北出新司さんの講演の様子はこちらでもご覧いただけます。

続いては「天の恵みへの感謝とと畜~イスラーム圏の食肉文化に学ぶ~」と題し、京都大学大学院 アジア・アフリカ地域研究研究科教授・法学博士である小杉 泰 先生よりイスラム圏の屠畜について学びます。

一方「ある意味イスラム教は、共食の宗教ですね。特にお肉大好き!」と京都大学大学院の小杉先生。

命あるものを、まず神にささげ、許しを得てその命をいただく・・・。屠畜をするのは家長たるお父さんのステイタスであること、屠った家畜のお肉は、家族が3分の1、ご近所へ3分の1、そして貧しい人に3分の1を分けて食するという、美しいイスラーム文化のひとつであるということ。ユーモアを交え軽快にお話くださいました。

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小杉泰先生の講演の様子はこちらでもご覧いただけます。

ハラールに関しての関心度の高さを象徴し当日は、京都、大阪、滋賀のホテル旅館関係者の方々が多く参加されました。

同じ屠畜を通して、日本の屠畜とイスラムの屠畜の考え方、そしてそこに携わる方への敬意の違い・・・その違いを対比することでより知っていただくことが出来、また「命」ある食べ物に向き合う姿勢も変わっていくのではないか思える良い講演会となりました。


2014-08-06 | Posted in つながる, 活動レポート, 生きる