【2014年7月16日】愛農学園農業高校の牛さんを1頭まるごといただくワークショップ

このプロジェクトは、三重県伊賀市にある全寮制私立高校「愛農学園農業高校」で生まれ、育ち、子を産み、ミルクを出して働いてくれた「アッスー」という牛を通して、「生き物」を「食べ物」にするというところまで学ぼうという取り組みです。

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農業高校生たちにとって、屠畜・解体、精肉・調理という、農業生産の先にある世界を体験する、まさにフードチェーンを丸ごと理解する大変貴重な場となり、牛肉を食べるためにどれほど多くのプロの技が必要かということを講師の先生方から、学びました。

枝肉の解体は、ドキュメンタリー映画「ある精肉店のはなし」で有名な、北出新司さんがご指導くださいました。

枝肉を食肉センターから運んだり、解体されたお肉を目的別にカットして保管する指導は、松坂牛を定期的に1頭丸ごと販売しておられる「りんね社」の飯尾裕光さんがご指導くださいました。

牛肉を様々な料理にする指導は、奈良県庁の食堂で長年総料理長を務められた中村瑛吉シェフからご指導くださいました。

解体作業は、鶏肉の解体に長けた農業高校生が選抜されて挑戦。その作業が進む間、学習室では、「ある精肉店のはなし」が上映され、映画終了後は、出演された北出さんが、解体作業を終えて会場の皆さんの前に現れ、質疑に応えてくださいました。

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この映画は、大阪貝塚市での屠畜見学会において、牛のいのちと全身全霊で向き合う北出精肉店と映画監督との出会いから、ドキュメンタリー映画として制作が開始されました。冒頭、牛の頭を、ハンマーで殴る衝撃的なシーンから映画は始まります。そして、家族4人の息の合った手のわざで牛が捌かれていく様を収めたあと、北出さんの家族へとフォーカスされていきます。家族4世代が食卓に集い、いつもにぎやかでありながら、被差別部落ゆえのいわれなき差別を受けてきた自身の歴史。いのちを食べて人は生きる。「生」の本質を、屠畜の現場や、歴史的背景を踏まえ見続けてきた家族の記録となる映画でした。

映画上映と同時進行で、調理室では、愛農高校の生徒達が育てた乳牛アッスーの半丸分の部位肉が、まずパズルのようにして元の形に組み立てられ、使徒たちから「おかえり、アッスー!」と思わず声が上がっていました。

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まずは 北出さん自身が脱骨解体の手順と、決してケガをしないためのコツを教えてくださり、脱骨作業に生徒達は果敢に挑戦。ウデ肉からキレイに剥がされた肩甲骨など、まわりの生徒からも歓声があがります。

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脱骨作業の横では、筋引き整形作業も同時進行で進みます。

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そしてアッスーのロースとランプのほかに、中村シェフからの指導で愛農高校の農産物をふんだんに使った牛肉料理が指導され、牛肉料理教室も同時進行。

牛の脱骨解体と精肉の実演の様子はこちらの動画でもご覧いただけます。

食事の場では、愛農ナチュラルポークの肩ロースなども塊焼きで提供され、この日は、解体されたお肉のほか、牛肉サミットに出される予定の「高校生が育てた牛一頭丸ごといただキーマカレー」、中村シェフの指導による牛肉料理の一品、愛農ポークのソーセージやベーコン、スモークチキンなど、愛農高校の農場部門の食材で組み立てられた野外料理が準備され、約140人が感動の食事を堪能しました。

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アッスーのお肉は予想以上に美味しくて大絶賛!でした。

牛肉料理教室の様子はこちらの動画でもご覧いただけます。

そして、最後には、愛農高校の見学会が行われ、校舎はもちろんのこと、生徒たちが実習の場として学んでいる果樹・野菜・稲作・養鶏・養豚、酪農のそれぞれの現場を見学し終了となりました。

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愛農高校の農場見学の様子はこちらでもご覧いただけます。

なお、この日、会場のかたずけを生徒たちがしている間、一般の参加者たちは、会場となったハーモニーフォレスト(伊賀市種生)のすぐそばにある「宙の学舎(そらのいえ)」の代表、鎌田陽司さんのお話を伺い、宙の学舎見学もさせていただきました。

「なつかしい未来」の代表でもある鎌田さんから、過疎化が進む地域を守り、若者が生き生きと自立できる新しい暮らし方の実践や、都会の若者とつながる農業の工夫についてお話を伺いました。

『牛肉プロジェクト アッスーありがとう』私立愛農学園農業高校


2014-07-16 | Posted in 活動レポート, 生きる, 育む, 食べる