【2014年11月8日】食と農をベースにしたソーシャルイノベーション

食と農のソーシャルイノベーションというテーマで、脱サラハンターの兵田さん、農的暮らしをするIT経営者ビルトッテンさんのお話を伺いました。

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■第1部 脱サラハンター 兵田大和さん

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兵田さんは大学卒業後、一般企業に就職され人事関連の仕事をされていました。
しかし普通のサラリーマン生活に違和感を覚える中、ソーシャルな生き方を求めて大学院修士課程の道へ進まれます。
そして古来より人類が行って来た狩猟という世界を研究テーマに選び、そのまま自ら脱サラし狩猟ハンターとなられました。

昨今、里山が荒廃しイノシシや鹿が田畑を荒らすようになりました。原因は戦後の植林活動にあり、森の生態系が大きく変わってしまったそうです。

非常に穏やかなお人柄から想像できるとおり、人一倍、命の大切さを感じながら、鹿肉の販売を通して、獣害のこと、自然のこと、命のことなどを一人でも多くの人に知ってもらえるよう、猟師として活動されています。

猟師の世界は、どちらかというと荒っぽい別世界のように思っていましたが、自然体で生きていらっしゃる兵田さんの話を直接聞けて、参加者からは、狩猟というものをとても身近に感じることができたと声があがっていました。

兵田大和さんの講演の様子はこちらでもご覧いただけます。

■第2部 農的暮らしをするIT経営者 ビル・トッテンさん

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ビルさんは正社員850人を抱えるIT企業の経営者であり、経済博士であり、そして自宅の80坪の庭で野菜、果樹、鶏、ウサギ、ミツバチに囲まれ農的暮らしを営んでいらっしゃいます。

今の経済は半分以上がお金がお金を生んだだけの偽物経済。だからいつか経済は半分になるとのこと。
自社の社員に終身雇用を約束しているビルさんは、そんな時代がくれば、給与を6割にし、週休4日する制度を提唱していらっしゃいます。
社員は週休4日を使って、衣食住に関することを自分の手で行い、暮らしを守り、楽しむことができる。   そのためにも、今から自分自身も手作りの農的暮らしを実践しているのだそうです。

参加者は、都会でそんな素敵な暮らしができることに驚くとともに、小さな手作りの暮らしを自分で実践することの大切さを、改めて感じたと声があがっていました。

ビル トッテンさんの講演の様子はこちらでもご覧いただけます。

■第3部 パネルディスカッション

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最後に、同志社大学大学院教授の今里滋先生をコーディネーターにお迎えし、兵田さん、ビルさん、会場も交えてパネルディスカッションを行いました。

様々な話題が出る中、鹿肉をいかに広めるか?については、ビルさんから「京都のあちこちにある神社を拠点に地域の住民向けに手作り市をやってはどうか」という提案がでました。また早速、兵田さんから鹿肉を買いたい!というオファーもありました。

参加者からは、「非常に貴重な話を直接聞くことができて、自分が目指している将来の方向性を再確認できた。」「これからの具体的一歩の参考になった」といった声が上がっていました。

普段なかなか聞けない話を聞けただけでなく、終了後の懇親会では、兵田さんが鹿肉も持参くださり、一同、大満足のセミナーとなりました。

パネルディスカッションの様子はこちらでもご覧いただけます。

(執筆/実行委員 岩崎)


2014-11-08 | Posted in 活動レポート, 生きる